2026/03/09 21:21

前回までストーリーはコチラ→【MAG JACKET 開発ストーリー Vol.1】次世代MP5をモダナイズせよ!

●未知の3Dモデリングへ

資金の壁にぶち当たりながらも、「まずはデータ作りからだ」と決意。
いきなりソフトを触る……前に、丸一日費やして、YouTubeで「初心者向けモデリング解説動画」を片っ端から見漁りました。

「なるほど、なんとなく機能と役割がわかってきたぞ……」
満を持してモデリングソフトを起動。
ここで、普段から紙面やWEBの広告を作り、Photoshopなどの画像編集ソフトを使い倒している経験が火を噴きました。
3D特有の「狙った動作ができない!」という壁には何度もぶつかりましたが、意外にも直感的に操作でき、調べながら形にしていくことができたのです。

●怒りのノギス購入と「箱バナナ」の誕生

モデリングを進めるにあたり、構造のコンセプトは最初から決まっていました。
「東京マルイ純正マガジンの『インナー』をそのまま流用し、外装(シェル)だけを交換する方式にしよう」
これなら複雑な内部の給弾メカニズムを設計する必要がなく、組み込みも簡単になります。

「よし、まずは純正のガワを徹底的に採寸だ!」
……あれ? 採寸する道具がない。
イラストやデザインの仕事柄、立派な定規や製図道具はいっちょ前に揃っているのに、立体の厚みや内寸を測る「ノギス」を持っていなかったのです。

「じゃあ買うか……って、まともなデジタルノギス、こんなに高いのかよ!!」
半ギレになりながらポチり。。。笑
翌日には届いたノギスを片手に、コンマ数ミリ単位の採寸をスタートしました。
ついでにまたもやYoutubeで「ノギスの使い方解説動画」を見漁りました。笑
採寸データを元に、少しずつデジタルで形を起こしていく。
そしてついに、それっぽい「バナナ型の箱」のデータが完成しました。

●震える指と、デカすぎる「洗濯機」の襲来

「データ上はバッチリだけど、これ、本当にMP5のインナーが入るの?」
このまま見た目をモダナイズマガジンにどんどん盛って行っても、あとあと入らない!とかガバガバ!となってはかえって手間になってしまいます。
まずはこの初期の段階で「インナーが入るのか」を見極める必要があります。
しかしそれを確かめるには、結局このデジタル上の「箱バナナ」を現実世界に召喚するしかありません。

「……やっぱり、今すぐ3Dプリンター要るよな…!!」
強靭な素材を印刷できるハイエンド3Dプリンター。
そして理想とする強靭な素材。
印刷の成功率に関わるフィラメントの乾燥機。
その他の消耗品やアクセサリー類。
すべてをカートに入れて合計金額を見た瞬間、ポチる指が震えました。
ビビり散らかして、結局「注文確定」ボタンを押すまでに2晩もかかりました。

そして数日後。
とうとう我が家に3Dプリンターが到着!……したのですが。

「箱がデカすぎて玄関から入らない!!!!笑」

なんじゃコレ!!
洗濯機でも届いたのか!?!?ww

 結局、ドアに備え付けられた郵便受けを一旦取り外して、ギリギリの攻防の末にようやく室内へ搬入。
クローゼットの中に設置したものの、まるまる一段を「3Dプリンタ専用の段」として占有するほどの圧倒的な存在感でした。

●召喚術の成功。そして「5秒で割れるカス」

セットアップも完了し、いよいよ初のプリント。
本番用の高級素材の前に、まずは安価なテスト用素材で「箱バナナ」を出力してみます。

「すげー! 形になってる! 魔法や! 召喚術や!!!」
「これが現代の魔法や!!!!」
目の前で自分の作ったデータが立体になっていく感動。
出来上がった箱バナナにインナーマガジンを入れてみると……意外にもすんなりフィット!


「完璧じゃん!……いや、待てよ?」
手で握ってみると、グニャッと歪む。
プニプニです。

「こんなんサバゲーで使ったら5秒で割れるわカスwww」



それもそのはず。
純正の金属シェルの厚み「0.9mm」をそのまま樹脂で再現したため、強度が圧倒的に足りなかったのです。
本番で使うのは硬く強靭な素材とはいえ、そもそも「設計の段階」からもっと分厚く、丈夫でなければいけません。

しかし、外側には銃本体の「マガジンハウジング」という制限があり、
内側には「インナーマガジン」という制限があります。
単に全体を分厚くすることは不可能なのです。

「外側も内側もこれ以上広げられないなら……極限までインナーマガジンの形状にフィットするように、内側の隙間を埋めていくしかない!」
複雑に噛み合うように厚みを持たせる部分、インナーの突起を逃がすための窪み……。ここから、さらに地獄の「内側クリアランス設計」が始まるのでした。